●食品の色が歯につく
歯がすぐに黄ばんでくる、茶シブのような色がつく、といった相談を受けることが少なくありません。
歯が着色するのは、食べものや飲みものの色がつくからです。
飲みものでは、コーヒー、紅茶、日本茶、烏龍茶、赤ワインなど。
食べものでは、カレー、醤油、ソースなど。
喫煙をする人は、もちろんタバコのヤニが付着しています。
考えてみれば私たちは、いろいろな色のついたものを口に入れているものです。
とくに習慣的に口にしているものの中に今あげたような色素の多い食品があると、磨きにくいところや歯の溝などから着色しはじめます。
歯の着色には、個人差もあると思われます。
同じ食事をしても、人によって色が濃くなる人もいるし、さほど変わらない人もいるのです。
また、年齢を重ねると、それだけ着色しやすくなります。
●ハミガキ剤を使う
一時、「ハミガキ剤を使わなくてもハミガキはできる」といわれたことがありました。
しかし、水をつけて磨くだけのハミガキを続けていると少しずつ歯が黄ばんできます。
また、硬いハブラシで力まかせに磨く人は、歯のいちばん外側のエナメル質に目に見えない傷がつき、そこから着色しやすいので注意が必要です。
歯が黄ばみやすい人は、ホワイトニング効果をうたっているハミガキ剤を使用してみると、ある程度の効果はあります。
また、虫歯予防と歯質強化には、フッ素入りのハミガキ剤が有効です。
●歯医者さんで行うホワイトニング① ホームホワイトニング
歯科医院で、ホワイトニングを目的とした治療を行うことができます(自由診療になります)。歯に薬液を浸透させ、歯を漂白していく方法です。
やり方として、①ホームホワイトニングと、②オフィスホワイトニングの二つがあります。ホームホワイトニングのほうがコストは安くできます。
ホームホワイトニングは、家で寝る前に行い、睡眠中にホワイトニング効果を得る方法です。
歯科医院で歯の型を取り、その患者さん用のホワイトニングトレーをつくります。
歯のカバーのようなものです。就寝前にホワイトニングトレーにホワイトニング剤を注入し、歯に装着して、あとは寝るだけです。
個人差はありますが、1〜2週間程度で白さを実感できます。
●歯医者さんで行うホワイトニング② オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行う方法です。
やり方は、歯の表面にホワイトニング剤を塗り、特殊な光を当てて色素を分解して歯を白くします。
あるいは、レーザーによる熱を当てて歯の表面に塗ったホワイトニング剤を活性化させ、白くする方法もあります。
ホワイトニングにかかる時間は1回に1時間程度です。
ホワイトニングに満足できない場合は、セラミック治療が有効です。
●白い歯は人の印象を明るくする
歯がもとの白さを取り戻すと、誰でも表情が明るくなり、印象が大きく変わります。
また白くなったことをきっかけに、「口の中をきれいにしておきたい」という口腔衛生へのモチベーションが高まるので、歯周病予防にも良い影響を及ぼすものです。
次回は『歯ぐきの色が気になる方へ』というテーマでお話ししていきます。