高齢者の健康は、歯が支えている

自分の歯で食事ができるかどうかは、人生を大きく変えてしまいます。

 

たとえば、お年寄りが生活の中で介護を必要とする度合いを調べた調査を見ると、歯がある人とない人とでは大きく差が現れているのがわかります。

 

この調査では、歯の数が0〜9本しかなく、入れ歯もしていない人は、ほとんどの人が介護を必要としていました。

若いころと同じように自立した生活ができている人は、2割にも満たなかったのです。

 

一方で自分の歯が20本以上ある人は、ほとんどの人が一人でなんでもできていました。

また、自立した生活ができているお年寄りは、社会的にも若いころと同じような意識で生活できていることがわかっています。

地域や家族でしっかりとした役割があり、実際に活動している人が多かったのです。

 

自分の歯を維持することが、いろいろな人と会話をし、社会の動向にも敏感で、心身ともに現役として生きていることにつながる、ということです。

自分の歯でしっかり噛んで、美味しく食べるということは、ただ栄養や消化吸収というメリットがあるだけではなく、生き方も前向きになるのです。

 

歯周病からさまざまな疾患の危険が高まるということは、知っておくべき重要な健康情報です。

しかしその前に、お口の衛生は歯自体を守るために必要なのです。

一生自分の歯でしっかり噛んで食べること、このことこそ人生を幸せに生きるために必要なことです。

そしてそれは、若いころからの毎日の口腔衛生、つまりハミガキがいかに大切か、ということなのです。

  次回は『歯は決して「道具」ではありません!』というテーマでお話ししていきます。