慢性関節リウマチ

●リウマチの原因は歯周病菌だった?

慢性関節リウマチは、手足の関節が少しずつおかされて変形していき、重症になると歩行もできなくなる難病です。

原因ははっきりとはわかっていませんが、体の免疫システムがなんらかの不調を起こして自分自身の組織を攻撃してしまう「自己免疫疾患」と考えられています。

 

最近の研究では、この慢性関節リウマチの発病にも、血液中に入り込んだ歯周病菌が深く関係しているのではないか、ということが明らかになってきています。

 

●歯周病菌はどのようにリウマチを起こすのか

慢性関節リウマチの患者さんの免疫システムは、自分自身の関節の組織(タンパク質)のなかに「シトルリン」という人間の体には存在しないアミノ酸を認識します。

免疫システムはこれを異物・外敵と認識して、攻撃を加えるのです。

このシトルリンをつくっているのが、歯周病菌(Pg菌)であることがわかってきました。

 

血液の中に入り込み関節内にまで侵入した歯周病菌は、PADと呼ばれる酵素を吐き出します。

この酵素は、関節内の組織に含まれるアルギニンというアミノ酸をシトルリンに変えてしまうのです。

 

慢性関節リウマチの患者さんも、歯周病になりやすいことが知られています。

また、歯周病を治療すると慢性関節リウマチの検査数値も改善した、という研究報告もあります。

 

このようなところでも、歯周病菌の全身への影響がわかってきています。

  次回は『高齢者の健康は、歯が支えている』についてお話ししていきます。