●妊婦さんは歯周病になりやすい
妊娠した女性は、そうでない人に比べて歯周病になりやすい、悪化しやすいという研究報告があります。
妊娠すると女性ホルモンが増え、それが歯周病の進行を早めてしまうのです。
ところが困ったことに、 度の歯周病がある妊婦さんは「早産の危険」が高まることもわかっているのです。
妊婦さんは、いつでも歯科治療ができる、というわけではありません。
妊娠の可能性があるなら、定期的に歯科検診を受けて口の中の衛生に注意しておくとよいでしょう。
定期検診を受けていなくても、妊娠がわかったらできるだけ早く歯科医院で全体を診てもらうことをお勧めします。
●歯周病があると早産しやすい
重度歯周病があると、なぜ早産につながるのでしょうか。
それは、分娩のメカニズムに関係しています。
臨月のお母さんの体は、赤ちゃんが十分に大きくなると、その刺激によってプロスタグランジンなどの生理活性物質が血液中に増えます。
すると子宮がやわらかくなり、赤ちゃんの出口である頸管が開き、子宮が収縮して、赤ちゃんが押し出されてくるわけです。これが正常な分娩です。
ところが、妊娠後期に重度の歯周病があって、歯周病菌がお母さんの血液中に入り込むようになると、免疫細胞が反応して同じような生理活性物質をつくります。
これは分娩をうながす状態と同じなので、まだ十分に赤ちゃんが育っていないのに子宮収縮が始まって早産になってしまうのです。
安定期のうちに、歯周病はしっかり治療しておきたいものです。
次回は『 誤嚥性肺炎』についてお話ししていきます。
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